大判例

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福岡高等裁判所宮崎支部 昭和27年(う)834号 判決

ところで、右南西諸島口ノ島は北緯二九度五〇分、東経一二九度五四分の地点に位し、元来日本内地の一部であつたのであるが、昭和二四年法律第六五号関税法の一部を改正する等の法律(それ以前の法令改廃の経過は省略する)によつて改正された関税法第一〇四条は、「本法ノ適用ニ付テハ本州、北海道、四国、九州及命令ノ定ムル其ノ附属島嶼以外ノ地域ハ当分ノ間之ヲ外国ト看做ス」と規定し、この規定に基き、昭和二四年五月二六日大蔵省令第三六号第一条第四号は「北緯三〇度以南の南西諸島(口ノ島を含む)」を右附属島嶼から除外した結果、右口ノ島も亦関税法の適用上外国と看做されていたのである。ところが、昭和二七年四月七日政令第九九号は、この点について「北緯二九度以南の南西諸島(琉球諸島及び大東諸島を含む)」を以て関税法第一〇四条に規定する地域と定め、右政令は平和条約発効の日(同年四月二九日)から施行せられたので右口ノ島は同日以後関税法の適用上外国ではなくなつたのである。

思うに、関税法第一〇四条の規定は、関税法の適用上本来我国の領土であつた地域の一部を外国と看做したもので、罰則の適用についていえば、同条はこれに基づく命令の規定と相俟つて輸出入に関する一定の行為が犯罪を構成するための一つの要件を定めたものであり、同法に定むるその種の刑罰法規の内容を為すものといわなくてはならないのである。前敍のように、右昭和二七年四月七日政令第九九号の施行によつて、南西諸島に関しては、外国と看做される地域が北緯三〇度以南から北緯二九度以南と変更せられた結果、本件口ノ島を含むその間に位置する地域については、我国との間に輸出入の観念がなく、従つて無免許輸出入罪の成立要件がなくなつたのであり、この地域における無免許輸出入に対する刑罰法規は廃止されたことに帰着するのである。しかも右関税法第一〇四条を以ていわゆる限時法と解する根拠はないから、本件は刑事訴訟法第三三七条第二号の定むる犯罪後の法令により刑が廃止されたものとして免訴の言渡を為すべき場合に該当するのである。

(後略)

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